医療コラム
腸活で心身ともに健康に
13.09.2026

近年、「腸活」が注目されています。腸活とは、腸内環境を整え、善玉菌が働きやすい状態を保つための生活習慣のことです。
腸は「第二の脳」と呼ばれるほど、脳と密接な関係にあり、交感神経や副交感神経といった自律神経と深く関連しています。ストレスを感じると自律神経のバランスが乱れ、腸の動きが鈍くなって便秘になったり、反対に下痢を引き起こしたりすることがあります。このように、精神状態と腸内環境は相互に作用しているのです。
また、驚くことに、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンは、その多くが脳ではなく腸で作られています。腸内細菌はその産生を助けたり、調節したりする働きがあります。そのため、腸内細菌のバランスが崩れてしまうと、気持ちが沈んでしまうこともあるのです。ある実験では、特定の腸内細菌を減らしたマウスに自閉症に似た症状を認めたそうです。別の研究でも、ヨーグルトや納豆などのプロバイオティクスを含む食品を1か月間食べ続けた人は、不安やうつなどの症状を軽減できたという報告があります。このように、腸内細菌のバランスが整うことで、心と体のバランスも整うようになっているのです。
最後に、日常生活に取り入れやすい、今日から始められる腸活のヒントをご紹介しますので、ぜひ皆さんも挑戦してみてください。
1、納豆やキムチ、ヨーグルトなど善玉菌を含む食品を取り入れる。
2、野菜や果物、豆類、海藻、きのこ類など善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖を積極的に摂る。
3、朝起きたらコップ1杯の水や白湯を飲み、腸の動きを促す。
4、入浴などで体を温め、血行を良くする。
5、ウォーキングやストレッチなど適度な運動をする。
腸活は毎日続けることが何より大切です。無理なくできることから始めて、腸が喜ぶ生活習慣を少しずつ積み重ねていきましょう。
著者紹介

ビビアン医師/Dr. Vivien
Medical Director/Family Medicine Specialist (家庭医療専門医)
モスクワにて医学部を修了後、マレーシア・ペナンの総合病院で臨床経験を積む。その後、ペラ州バトゥ・カジャ病院やセランゴール州のクリニックにて常勤医師として勤務。2018年よりひばりクリニックに勤務し、現在はメディカルダイレクターとして地域医療に従事している。小児科および心療内科に関心が高く、患者さま一人ひとりに寄り添った診療を大切にしている。