医療コラム
糖のはなし
23.08.2026

「糖」と聞いた時、真っ先に何を想像するでしょうか?一番多い答えとしては恐らく砂糖であり、糖尿病の方はブドウ糖もご存じでしょう。果物に含まれる果糖、牛乳に含まれる乳糖も聞いたことがあるかもしれません。
多くの糖は似たような作りをしています。その中でも基礎として、「単糖類」としてブドウ糖(グルコース)・ガラクトース・果糖(フルクトース)などがあります。これらの糖は2種類つながると「二糖類」となります。ガラクトースとグルコースで乳糖、グルコースとフルクトースでスクロース(ショ糖=砂糖の主な成分)となったりします。これよりさらに多くの糖がつながってくると、今度は「多糖類」と呼ばれ、でんぷん・グリコーゲンなどがこれにあたります。
これら「単糖類」「二糖類」「多糖類」の構造の違いは体内への吸収されやすさに関わってきます。糖類は吸収される前、まず単糖類まで分解されなくてはいけません。単糖類は既に単体なので、摂取するとそのまま体の中へ吸収されますが、二糖類・多糖類は単糖類まで分解されてから吸収されます。そのため単糖類は血糖値が急激に上昇し、すぐ下がりますが、二糖類・多糖類は分解される時間が足されるため、血糖値の上昇・降下がマイルドかつ長時間にわたります。血糖値が高いと満腹感が維持されるため、多糖類は腹持ちが良い糖類と言えるでしょう。でんぷんが含まれているご飯・パンの腹持ちが良いとされているのはこのためです。
高い血糖値が維持される多糖類に対して、血糖値がすぐ上がってすぐ下がる単糖類のメリットとしては低血糖時の処置が挙げられます。糖尿病の方が薬の副作用で低血糖に陥ってしまったとき、単糖類であるブドウ糖を服用すれば、すぐに低血糖から回復できます。単糖類と多糖類、その時の状況に応じて正しく摂取することが重要です。
著者紹介

ビビアン医師/Dr. Vivien
Medical Director/Family Medicine Specialist (家庭医療専門医)
モスクワにて医学部を修了後、マレーシア・ペナンの総合病院で臨床経験を積む。その後、ペラ州バトゥ・カジャ病院やセランゴール州のクリニックにて常勤医師として勤務。2018年よりひばりクリニックに勤務し、現在はメディカルダイレクターとして地域医療に従事している。小児科および心療内科に関心が高く、患者さま一人ひとりに寄り添った診療を大切にしている。