医療コラム
珍しいお薬
19.07.2026

薬というと風邪薬、抗生剤、あるいは抗がん剤などが思いつくかと思います。しかし世の中には、「えっ!それ薬で治せるの?」といったような病気に対する薬も様々存在しています。
お酒を飲まれる方、楽しんで飲む分には結構ですが、飲酒量を自分でコントロールできなくなるとそれは「アルコール依存症」となってしまいます。どうしても自分ではコントロールできない、飲んでしまうという方に対しては「断酒薬」というものがあります。断酒薬は大きく分けて2種類、飲みたいという気持ちを軽減してくれるものと、アルコールを分解する能力を落として飲むと気持ち悪くなるようにさせる(≒擬似的に下戸にする)ものとがあります。
おいしいものを食べ過ぎて体重が・・・という方、外食が多いマレーシアでは特に多いのではないでしょうか?多少体重が増えてきた、という程度であれば食事制限と運動で頑張っていただきたいところですが、それでも効果が出ない、という方に対しては「抗肥満薬」という、食事からの脂肪の吸収を抑える薬と、食欲を抑える薬とがあります。「食欲が抑えられるなら楽にダイエットができる!」と思われた方、そんなに楽しいものではありません。自分で我慢するのではなく無理やり食欲が抑えられるので、食に対する興味が失われ、人によっては気持ちの落ち込みまで出てきてしまいます。食事制限・運動をきちんと行ってもどうしても減量できない、という方に対してのみ、医師が診断の下処方を行います。
花粉症に対しての根治療法薬もあります。これは花粉の中からアレルギーの元となる物質をあえて体に入れる、ワクチンのような使い方をします。必ず花粉症が治る、というわけではなく、使用しなくてはいけない期間も長いため、気軽に使えないのが欠点です。
著者紹介

ビビアン医師/Dr. Vivien
Medical Director/Family Medicine Specialist (家庭医療専門医)
モスクワにて医学部を修了後、マレーシア・ペナンの総合病院で臨床経験を積む。その後、ペラ州バトゥ・カジャ病院やセランゴール州のクリニックにて常勤医師として勤務。2018年よりひばりクリニックに勤務し、現在はメディカルダイレクターとして地域医療に従事している。小児科および心療内科に関心が高く、患者さま一人ひとりに寄り添った診療を大切にしている。