医療コラム

旅行に行くと便秘気味?

16.08.2026

旅行や一時帰国などで、いつでも決まって便秘になってしまうという方はいませんか?今回は「旅行時の便秘」について、その原因をお話していきましょう。

旅行先で便秘になってしまう原因は、いくつか考えられますがまずは、1つ目が環境の変化です。旅行中に便秘になる大きな要因のひとつが、環境の変化に伴うストレスや緊張です。楽しい旅行をしているのに、ストレスや緊張を感じるなんてことは想像しにくいことかもしれませんが、実際のところ旅行中の私たちの心と体は、自分が思っている以上に常に緊張した状態にあります。緊張感を持った状態が持続し、それがストレスとなって感じているのです。その結果、自律神経のリズムが乱れてしまい、腸の蠕動(ぜんどう:便を押し出す)運動が鈍くなり便秘を引き起こしてしまうというわけです。

2つ目は水分不足です。旅行を楽しんでいると、ついつい水分補給が後回しになってしまい、いつもよりも屋外にいる時間が長く、いつも以上に体を動かしているにもかかわらず、観光に夢中になっていて水分補給を忘れてしまうと、体内の水分はどんどん失われていきます。水分は便をやわらかくするのに必要なものですので、それが不足すると便はあっという間に硬くなって腸内にたまって便秘になるのです。

そして3つ目が睡眠不足です。旅行をしていると、ついつい夜更かしをしがちです。私たちの体は、眠っているときに内臓の働きを助ける「副交感神経」と呼ばれる自律神経が活発になるため、夜更かしをして寝不足の状態が続いていると、副交感神経が十分な働きをできなくなってしまいます。その結果、便がしっかりと作られなかったり、腸の蠕動運動が鈍くなってしまったりして、便秘の症状が現れてしまうのです。

旅行中の便秘は多くの場合、家に帰って日常生活に戻ると自然と治ることがほとんどですがもし調子が戻らないようであれば一度医療機関に相談してみましょう。


著者紹介

ビビアン医師/Dr. Vivien

ビビアン医師/Dr. Vivien

Medical Director/Family Medicine Specialist (家庭医療専門医)

モスクワにて医学部を修了後、マレーシア・ペナンの総合病院で臨床経験を積む。その後、ペラ州バトゥ・カジャ病院やセランゴール州のクリニックにて常勤医師として勤務。2018年よりひばりクリニックに勤務し、現在はメディカルダイレクターとして地域医療に従事している。小児科および心療内科に関心が高く、患者さま一人ひとりに寄り添った診療を大切にしている。