医療コラム

親子で楽しむマレーシアごはん

28.06.2026

親子で楽しむマレーシアごはん

マレーシア料理と聞くと、「油が多い」「辛い」というイメージを持つ家庭も多いかと思います。しかし本来のローカル食は、ハーブやスパイス・発酵食品・海鮮・豆類が豊富で、日本の家庭では意識して摂取しない栄養素が自然に入っている“実は健康食”でもあるんです。

例えば、よく使われるショウガやレモングラス・ターメリックには抗炎症・消化促進作用があり、風邪を引きやすい幼児期のサポートにもぴったりです。また、マレー系家庭の定番イワシやアンチョビ(イカンビリス)は、カルシウム・ビタミンDが豊富で成長期に最適です。

マレーシア料理を子どもの食卓に取り入れるときに大切なことは、“本来の風味は残しつつ、辛さや油分をやさしく調整すること”です。まず意識したいのは、“辛さは後から足す”という現地家庭でもよく使われる方法。大人用のサンバルは別添えにして、子ども用は香りだけを移した辛味ゼロのソースにすると、家族全員が同じ料理を楽しめます。

次に、ローカル野菜を1つだけでも追加する“+1野菜ルール”を作ると、栄養バランスがぐっと良くなります。カイランやオクラ、サヨーテ(ハヤトウリ)などはクセが少なく、子どもも受け入れやすい優秀食材です。また、マレーシア料理に多い揚げ物は、家庭では“揚げ焼き”にすると軽い仕上がりになります。さらに、主食の白米にほんの少し赤米(Beras Merah)を混ぜるだけで、鉄分やミネラルが補われ、成長期の子どもの強い味方になります。

こうした小さな工夫の積み重ねで、マレーシア料理はぐっと子どもに優しく、しかも栄養価の高いメニューになります。家族みんなで同じ“ローカルごはん”を楽しめるようになれば、毎日の食卓はもっと豊かで子どもの成長を支える力にもなりますね。


著者紹介

ビビアン医師/Dr. Vivien

ビビアン医師/Dr. Vivien

Medical Director/Family Medicine Specialist (家庭医療専門医)

モスクワにて医学部を修了後、マレーシア・ペナンの総合病院で臨床経験を積む。その後、ペラ州バトゥ・カジャ病院やセランゴール州のクリニックにて常勤医師として勤務。2018年よりひばりクリニックに勤務し、現在はメディカルダイレクターとして地域医療に従事している。小児科および心療内科に関心が高く、患者さま一人ひとりに寄り添った診療を大切にしている。