医療コラム
糖尿病と歯周病
26.07.2026

日本では8月1日は「歯が命」の日と言われています。以前「芸能人は歯が命」というキャッチコピーが流行りましたが、芸能人でなくても歯は大切です。今回は、虫歯や歯周病と関連する病気についてお話していきます。
口腔内の病気と言えば、歯周病や虫歯が一般的です。皆さんはこれらの口腔内の疾患がどのような病気と関連があるかご存じですか?実は口腔内の疾患は糖尿病や心臓病、肺炎などと深く関係しています。
糖尿病の患者さんは口腔内が乾燥するので、細菌が増殖しやすい環境をつくってしまいます。さらに唾液に含まれる糖分も増えるため細菌がさらに増殖し、歯周病を発症しやすくなります。2型糖尿病の患者さんはそうではない患者さんと比べて歯周病発症率が2.6倍も高いことが知られています。
また歯周病の人は健康な人に比べて、心筋梗塞などを起こすリスクが3倍近く高いそうです。これは、歯周病菌が歯肉から血管を通って心臓に移動し血管壁に炎症を起こすためで、炎症部分が動脈硬化を起こし狭心症や心筋梗塞の引き金となるのです。実際、動脈硬化の部分からは、歯周病菌が数多く発見されています。
その他に、歯周病菌を含む唾液が気管支から肺に入ると、肺炎を引き起こすことがあります。高齢者の場合は、寝ている間に唾液の誤飲をしやすいため、歯周病を放置しておくと誤嚥性肺炎の危険があり注意が必要です。
このように、歯周病は全身の病気に影響を与えたり、糖尿病が歯周病を引き起こしたりと相互に深く関連しています。生活習慣病と言われている糖尿病や心筋梗塞の予防や治療として生活習慣の改善や運動療法などと併せて、歯周病の予防や治療も欠かすことのできない重要なポイントです。年に一回の健康診断と同じように、歯科の定期検診も習慣にしていくといいですね。
著者紹介

ビビアン医師/Dr. Vivien
Medical Director/Family Medicine Specialist (家庭医療専門医)
モスクワにて医学部を修了後、マレーシア・ペナンの総合病院で臨床経験を積む。その後、ペラ州バトゥ・カジャ病院やセランゴール州のクリニックにて常勤医師として勤務。2018年よりひばりクリニックに勤務し、現在はメディカルダイレクターとして地域医療に従事している。小児科および心療内科に関心が高く、患者さま一人ひとりに寄り添った診療を大切にしている。