医療コラム
日光浴の効果
14.06.2026

日本と比べて日差しの強いマレーシアでは、日焼けなど紫外線による肌のダメージを気にして日光を避けている人も多いでしょう。確かに紫外線を多く浴びると、日焼け、しみやしわ、深刻になると皮膚がん、また眼への悪影響もあります。しかし、適度な日光浴にはメリットが多く、健康法の1つなのです。
まず、あまり知られていないのが、日光を浴びることにより、ビタミンDが皮膚内で合成されるということです。ビタミンDは食品からも摂取することは可能ですが、日光から合成される量の方が多いことが知られており、普段屋内で過ごす時間が多くて、日光を浴びる機会が少ない人はビタミンDが不足しがちです。ビタミンDにはカルシウムの吸収を助ける働きがあり、不足するとカルシウム不足による骨粗しょう症や骨折のリスクが高くなります。そのためビタミンDは骨の健康維持には欠かせない栄養素と言えます。その他ビタミンDには免疫力に作用する働きもあり、免疫力アップも期待できます。
また、日光浴をすると、脳内にセロトニンという物質が分泌されることが知られています。セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれ、不安や緊張の改善、ストレス解消、気分の安定などにつながり、うつ病の予防効果もあります。疲れたときなどに外に出て少し日光を浴びたり、窓際から光を感じるだけでも、気分をリフレッシュさせ、集中力を向上させる効果もあります。
このように日光浴にはメリットもたくさんあるため、1日の中で意識して日光を浴びる時間を作ってみましょう。長時間にわたる日光浴は必要はなく、ビタミンDの合成に必要な日光浴時間は5〜10分程度で十分とされているため、肌へのダメージは大きくありません。紫外線を気にする人、肌が弱い人は紫外線の少ない朝の時間帯の方が安心です。特に朝に日光を浴びると、セロトニンも分泌されやすく、体内時計を整える効果も期待できるのでおすすめです。
著者紹介

ビビアン医師/Dr. Vivien
Medical Director/Family Medicine Specialist (家庭医療専門医)
モスクワにて医学部を修了後、マレーシア・ペナンの総合病院で臨床経験を積む。その後、ペラ州バトゥ・カジャ病院やセランゴール州のクリニックにて常勤医師として勤務。2018年よりひばりクリニックに勤務し、現在はメディカルダイレクターとして地域医療に従事している。小児科および心療内科に関心が高く、患者さま一人ひとりに寄り添った診療を大切にしている。