医療コラム
マレーシアの煙害ヘイズ
02.08.2026

なんだか最近焦げ臭い。変なにおいがする。こんなことありませんか?おそらくそれはヘイズが原因です。
ヘイズ (haze) とは、目に見えない乾いた微粒子が大気中に浮遊していて、視程が妨げられている現象です。ここ最近マレーシアでもヘイズが確認されています。ヘイズの直接的な原因は、インドネシアのスマトラ島やカリマンタン島等における大規模な野焼きや森林火災により生じた煙や排気ガス等の微粒子と言われています。これらの微粒子は、季節風(モンスーン)により、マレー半島に流されることで、地域住民の健康への影響が懸念されています。ヘイズは例年、5〜10月にかけてマレーシアで観測されていますが、野焼き等の発生場所や規模、 風向きにより、影響を受ける地域が変わってきます。
大気汚染の一定数値を超えると軽度な健康被害を及ぼしますが、子ども、高齢者や心肺に持病のある方への影響が比較的大きいため、ヘイズが出ている時は継続的な屋外活動を避けるべきとされています。その理由として、ヘイズの影響として喉の痛み、結膜炎症状(充血・かゆみ)、鼻炎症状(鼻水・くしゃみ)、咳、気分の悪化、などの健康被害が現れるからです。また、循環器や呼吸器疾患を持っている方は症状の悪化等が報告されています。これらの症状は、一般的に大気の良化により消えるといわれます。とはいえ大気汚染はコントロールできないので不安はぬぐえませんね。
唯一の予防策としてはマスク(微粒子をカットできる高機能マスク推奨)の着用やうがいなどを徹底するほかありませんが、その他にも空気清浄機や加湿器なども有効とされています。
咳、鼻水、のどの痛みなどの症状があるようでしたら、一度医療機関に相談してみてください。そのまま放置しておくと気管支炎や思わぬ病気にかかってしまうこともありますので、十分に注意が必要です。
著者紹介

ビビアン医師/Dr. Vivien
Medical Director/Family Medicine Specialist (家庭医療専門医)
モスクワにて医学部を修了後、マレーシア・ペナンの総合病院で臨床経験を積む。その後、ペラ州バトゥ・カジャ病院やセランゴール州のクリニックにて常勤医師として勤務。2018年よりひばりクリニックに勤務し、現在はメディカルダイレクターとして地域医療に従事している。小児科および心療内科に関心が高く、患者さま一人ひとりに寄り添った診療を大切にしている。