医療コラム
お子さんの熱性けいれん
27.09.2026

熱性けいれんは、生後6か月~5歳くらいまでの子どもの約20人に1人が経験すると言われており、決して珍しい病気ではありません。通常は38℃以上の発熱に伴う発作性疾患で幼少期の神経疾患では最も高頻度に見られることから、医療現場以外でも日常的にしばしば遭遇します。熱そのものより、体温が急激に上がるタイミングで起こりやすいと考えられています。
熱性けいれんの発作の多くは5分以内に治まり、ほとんどの症例で後遺症を残すことはありません。また、成長とともに起こらなくなります。とはいえ、意識がなくなったり、呼吸が乱れて顔色が悪くなったりすることが多いので、子どもが死んでしまったり、後遺症を残したりするのではないかという強い恐怖感を抱くことがほとんどです。けいれんそのものによって心肺停止に陥ったり、命にかかわったりすることは極めてまれです。落ち着いて対応することが大切ですので、基本的な対応を覚えておきましょう。
まずは、外傷を避けるためお子さんの安全を確保し、体を横向きにして気道を確保してください。体を押さえつけたり揺り動かしたりしても発作は止まらないので、なるべく刺激を加えずに安全を確保することが大切です。その上で、呼吸や顔色、意識、手足や体幹に力が入っているかなどの発作の様子、持続時間を記録すると、その後の医師の治療の参考になります。
ご自宅で発作が起きたときには、驚き慌ててしまうのも無理はありません。驚くかもしれませんが、親御さんがパニックになって、お子さんの様子を正しく観察できなくなることの方がリスクです。正しい知識を身につけ、発作が起こる可能性があるということを頭の片隅に置いておきましょう。そして、初めての発作や長時間続く発作では、他の病気が隠れている可能性もあるため、速やかに医療機関を受診しましょう。
著者紹介

ビビアン医師/Dr. Vivien
Medical Director/Family Medicine Specialist (家庭医療専門医)
モスクワにて医学部を修了後、マレーシア・ペナンの総合病院で臨床経験を積む。その後、ペラ州バトゥ・カジャ病院やセランゴール州のクリニックにて常勤医師として勤務。2018年よりひばりクリニックに勤務し、現在はメディカルダイレクターとして地域医療に従事している。小児科および心療内科に関心が高く、患者さま一人ひとりに寄り添った診療を大切にしている。