医療コラム

マレーシアのインフルエンザ事情

25.10.2026

皆さんは、毎年インフルエンザのワクチンを接種していますか?去年ワクチンを接種したから、大丈夫?接種してから半年経ったら、また打つべき?マレーシアでインフルエンザが流行りやすい時期は?今回はインフルエンザに関する疑問を解消していきます。

インフルエンザとは、インフルエンザウイルスを病原とする気道感染症ですが、一般的な風邪とは分けて考えるべき、重症化することもある疾患です。日本では冬季に流行するため、「寒い冬の病気」というイメージがありますが、熱帯・亜熱帯地域であるマレーシアでは、年間を通して発生しており、雨季を中心に流行します。クアラルンプールの雨季は10月~2月ですので、日本の冬季と同じような時期に流行すると言えますね。

暑い国ならではの注意点もあります。強い日差しの屋外と、冷房の効いた室内を行き来することで、体調を崩しやすくなります。さらに、冷房の効いた閉鎖的な空間では、換気が不十分になると、感染リスクが高まります。

対策としては、ワクチンを打つこと、手洗い・うがいをしっかりとすること、人混みや換気の悪い場所ではマスクを活用すること、適度な湿度を保つこと、バランスの取れた食事を摂ることなどです。ワクチンの効果は接種後約2週間で現れ、その後数か月程度持続するとされています。流行する型や株は毎年変化するため、毎年予防接種を受けるといいですね。しかし、短い期間に2回打っても抗体の量は変化しないため、1年に1回を目安に接種するとよいでしょう。

万が一、インフルエンザにかかってしまったら、インフルエンザの検査を受けましょう。症状が出てから48時間以内に陽性が確認されれば、タミフルなどの抗インフルエンザ薬が処方されることがあります。

症状は人によってさまざまですが、一般的な風邪よりも、急に症状が強く出ることが特徴です。体の異変に気付いたら、悪化する前に早めに医療機関を受診しましょう。


著者紹介

ビビアン医師/Dr. Vivien

ビビアン医師/Dr. Vivien

Medical Director/Family Medicine Specialist (家庭医療専門医)

モスクワにて医学部を修了後、マレーシア・ペナンの総合病院で臨床経験を積む。その後、ペラ州バトゥ・カジャ病院やセランゴール州のクリニックにて常勤医師として勤務。2018年よりひばりクリニックに勤務し、現在はメディカルダイレクターとして地域医療に従事している。小児科および心療内科に関心が高く、患者さま一人ひとりに寄り添った診療を大切にしている。