医療コラム
森林浴の効果とは
01.11.2026

森や自然の多いところに行くと、気分が落ち着き、リラックスするのは、単なる気分の問題ではありません。「森林浴」という言葉は1982年に日本で生まれ、英語ではそのまま「Shinrin-yoku」と紹介されることもあり、海外でも健康法として知られています。実際、森林浴には医学的な効果があるのでしょうか?
まず、森に入って深呼吸をすると、スッキリとした香りを嗅いだことはないでしょうか?これは「フィトンチッド」と呼ばれる幹や葉などから放出される揮発性の成分で、抗菌作用を持つものもあります。この森林の香り成分を嗅ぐことによって、ストレスが軽減され、リラックスできると言われています。
特に最近では、メタボリック症候群や慢性疲労やアレルギー性疾患、うつ病予防などにも効果があると証明されており、森林が身体に与える影響について科学的な根拠も実証されています。森林との触れ合いが、このような恩恵をもたらす医学的なメカニズムは完全には明らかになっていませんが、免疫機能のサポートやメンタルヘルスの手助けになっていることは確実です。
森林浴を楽しむには、山へ行かなければならないと思いがちですが、木々の多い公園や近くの山でもよく、短時間自然の中で過ごすだけでも、効果が期待できます。深呼吸する時は、ゆっくり大きく息を吸うことが大切です。たくさん空気を体内に取り入れることで、血流の改善や疲労回復につながると考えられています。また、新鮮な空気を吸うことだけではなく、目で木々を眺め、森林に生息する鳥や小さな生き物を見ることで、視覚や聴覚への刺激が私たちの心と身体を安定させてくれます。
慣れないマレーシアの土地や仕事・環境の変化で、日々ストレスを感じることもあるかと思います。ちょっと時間のあるときや週末には公園でウォーキングしたり、疲れたらバードウォッチングをしたりして森林浴を楽しみ、日々の疲れをリフレッシュしてみてくださいね。
著者紹介

ビビアン医師/Dr. Vivien
Medical Director/Family Medicine Specialist (家庭医療専門医)
モスクワにて医学部を修了後、マレーシア・ペナンの総合病院で臨床経験を積む。その後、ペラ州バトゥ・カジャ病院やセランゴール州のクリニックにて常勤医師として勤務。2018年よりひばりクリニックに勤務し、現在はメディカルダイレクターとして地域医療に従事している。小児科および心療内科に関心が高く、患者さま一人ひとりに寄り添った診療を大切にしている。